カメラ売り場で見かける「OVF」と「EVF」という文字。「どう違うの?」「どっちを選べばいいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
実は、この2つのファインダーには大きな違いがあり、撮影スタイルによって向き不向きが変わってきます。今回は、カメラ選びで後悔しないために、それぞれの特徴をわかりやすくご紹介します。
そもそもファインダーって何?
ファインダーとは、カメラで写真を撮るときに被写体を確認するための「覗き窓」のことです。スマートフォンでは液晶画面で確認しますが、一眼カメラでは主にファインダーから覗いて構図を決めます。
このファインダーに、どんな仕組みで映像を映すかによって「OVF」と「EVF」に分かれるんです。
OVF(光学ファインダー)とは?
OVFは「Optical View Finder(光学ファインダー)」の略語で、一眼レフカメラでよく使われているファインダーです。
レンズから入ってきた光を、カメラ内部の鏡(ミラー)やプリズムで反射させて、そのまま目で見る仕組みになっています。まさに「生の景色」を見ているような感覚ですね。
OVFのメリット
自然で遅延のない見え方 実際の光をそのまま見るので、タイムラグがまったくありません。動く被写体も自然に追えて、まるで肉眼で見ているような感覚で撮影できます。
バッテリーが長持ち 電子部品を使わないため、電力を全く消費しません。一日中撮影していても、バッテリー切れの心配が少なくて済みます。
暗い場所でもクリア 暗所撮影では、電子画面のように画質が荒れることがありません。薄暗いカフェや夕暮れでも、肉眼で見るのと同じクリアさを保てます。
OVFのデメリット
撮影結果がわからない 明るさや色味の設定を変えても、ファインダー越しでは変化がわかりません。撮ってみて「あれ、思ったより暗い…」なんてことも。
カメラが大きくて重い ミラーやプリズムといった部品が必要なため、どうしてもカメラ本体が大きく重くなってしまいます。持ち運びには少し苦労するかもしれません。
撮影情報が見にくい シャッタースピードや絞りなどの設定情報は、ファインダーの隅に小さく表示されるだけ。詳細な情報確認には慣れが必要です。
EVF(電子ビューファインダー)とは?
EVFは「Electronic View Finder(電子ビューファインダー)」の略で、ミラーレスカメラの主流となっているファインダーです。
センサーで捉えた映像を小さな液晶画面に映し出し、それを覗いて構図を決める仕組みです。いわば「小さなテレビ画面」を覗いているイメージですね。
EVFのメリット
撮影前に仕上がりが確認できる 明るさや色味の調整をリアルタイムで確認できるので、「こんなはずじゃなかった」という失敗が格段に減ります。初心者にはとても心強い機能です。
豊富な情報表示 ヒストグラム(明るさの分布)、水準器、グリッドラインなど、撮影に役立つ情報をファインダー内に表示できます。まるでゲームの画面のように、必要な情報が一目でわかります。
マニュアル撮影が楽になる ピント合わせの際に画面を拡大表示したり、露出の変化をリアルタイムで確認したりできるため、細かい設定も安心して行えます。
動画撮影にも対応 動画を撮るときも、ファインダーを覗きながら手ブレを抑えて撮影できます。スマートフォンのように腕を伸ばして撮る必要がありません。
EVFのデメリット
バッテリー消費が激しい 常に液晶画面が点灯しているため、電力をよく消費します。予備バッテリーは必須アイテムと考えておいた方が良いでしょう。
わずかな遅延がある場合も 電子処理の関係で、わずかですが映像に遅れが生じることがあります。最新機種ではほぼゼロに近くなっていますが、激しく動く被写体では気になることも。
画面の解像度に依存 ファインダーの液晶画面の性能によって、見え方の良し悪しが決まります。安価なカメラでは、やや粗い表示になることもあります。
初心者にはどちらがおすすめ?
正直なところ、どちらにも良さがあるので「絶対にこっち!」とは言い切れません。大切なのは、あなたの撮影スタイルや優先したいポイントを考えることです。
OVFがおすすめな人
- 自然な見え方を重視したい
- バッテリー持ちの良さを求める
- 風景や静物をメインに撮影する
- カメラらしい撮影体験を楽しみたい
EVFがおすすめな人
- 失敗写真を減らしたい
- 設定をこまめに調整したい
- 動画も撮影したい
- 軽量コンパクトなカメラが欲しい
実際のところ、最近のミラーレスカメラに搭載されているEVFは非常に高性能になっており、初心者でも違和感なく使えるレベルに達しています。迷ったらEVFのミラーレスカメラから始めるのも良い選択だと思います。
実際に体験してから決めよう
文章だけではなかなか実感が湧かないかもしれません。可能であれば、カメラ店で実際に両方のファインダーを覗き比べてみることをおすすめします。
「OVFの自然な見え方が心地いい」と感じるか、「EVFの情報量の多さが便利」と思うかは、人それぞれです。実際に触ってみると、意外な発見があるかもしれませんよ。
まとめ
どちらを選んでも、素敵な写真は撮れます。大切なのは、あなたが楽しく撮影できるかどうか。この記事を参考に、ぜひ自分にぴったりのカメラを見つけてくださいね。
撮影を続けていくうちに、「やっぱり違うファインダーも試してみたい」と思うことがあるかもしれません。それも写真の楽しみの一つです。まずは気になる一台から始めて、カメラライフを楽しんでください!