一眼レフを手にしたばかりの頃、「ファインダーを覗いて撮るべき？」「それとも液晶画面を見ながら撮るべき？」と迷ったことはありませんか？
実は、どちらも正解なんです。ただし、撮影するシーンによって向き不向きがあるので、使い分けができるようになると写真がもっと楽しくなります。
今回は、ファインダー撮影とライブビュー撮影の違いと、それぞれをどんなときに使えばいいかを、初心者の方にもわかりやすくお伝えします。
ファインダー撮影とは？
ファインダー撮影はそのままですが、カメラのファインダーを覗いて撮影する、いわゆる「カメラらしい」撮影方法です。
一眼レフでは、レンズから入った光がカメラ内部のミラーで反射され、ファインダーまで届く仕組みになっています。つまり、実際の景色をリアルタイムで直接見ている状態なんです。
まさに「プロカメラマンのような撮影スタイル」と言えるでしょう。
ファインダー撮影のメリット
・反応速度が抜群
光をそのまま見ているため、タイムラグがほとんどありません。「今だ！」と思った瞬間にシャッターを切れるので、決定的瞬間を逃しにくいのが大きな魅力です。
・明るい屋外でも快適
真夏の太陽の下でも、ファインダーなら問題なく被写体を確認できます。液晶画面だと反射で見えにくくなることがありますが、ファインダーならそんな心配はありません。
・バッテリーが長持ち
電子部品をほとんど使わないため、電力消費が少なく済みます。一日中撮影していても、バッテリー残量を気にする必要がありません。
・集中しやすい
ファインダーを覗くと、被写体だけに集中できます。周りの景色が見えなくなることで、より集中して構図を決められるという人も多いです。
ファインダー撮影のデメリット
・撮影結果が想像しにくい
明るさや色味の設定を変えても、ファインダー越しでは変化がわかりません。「あれ、思ったより暗く写った」「色が変だった」なんてことも珍しくありません。
・撮影姿勢に制限がある
ファインダーを覗くため、必然的にカメラを顔に近づける必要があります。低い位置や高い位置から撮りたいときは、無理な姿勢になってしまうことも。
・細かい調整が難しい
ピント合わせの際、ファインダーだけでは微妙なズレに気づきにくいことがあります。特に暗い場所では、ピントが合っているかどうかの判断が困難になることも。
ライブビュー撮影とは？
ライブビュー撮影は、カメラ背面の液晶モニターに映る映像を見ながら撮影する方法です。スマートフォンで写真を撮るときと同じような感覚ですね。
一眼レフでは、撮影時にミラーが上がってセンサーの映像が直接液晶に表示されるため、実際の仕上がりにより近い映像を確認しながら撮影できます。
ライブビュー撮影のメリット
・撮影結果が事前にわかる
明度、コントラスト、色味などの設定変更がリアルタイムで液晶画面に反映されます。「撮ってみたら思ったのと違った」という失敗を大幅に減らせます。
・自由な撮影アングル
液晶画面を見ながら撮影できるので、地面すれすれのローアングルや、頭上からのハイアングルなど、無理な姿勢を取らずに様々な角度から撮影できます。
・ピント合わせが正確
画面を拡大表示して、ピントを細かく確認できます。特に花や小物のクローズアップ撮影では、この機能がとても重宝します。
・撮影情報が豊富
ヒストグラム（明るさの分布）やグリッドライン（構図の補助線）などを表示できるので、より技術的な撮影を学びたい初心者にはとても勉強になります。
・動画撮影も可能
ライブビューモードでは動画撮影も行えます。写真だけでなく、動画も楽しみたい方には必須の機能です。
ライブビュー撮影のデメリット
・わずかなタイムラグ
電子処理の関係で、実際の動きと画面表示の間にわずかな遅れが生じます。動きの速い被写体では、シャッターチャンスを逃しやすくなることも。
・明るい場所では画面が見づらい
直射日光の下では、液晶画面が反射してしまい、被写体が見えにくくなることがあります。日陰を作ったり、角度を工夫したりする必要があります。
・バッテリー消費が激しい
常に液晶画面が点灯しているため、電力をよく消費します。長時間の撮影では、予備バッテリーの準備が必要になることも。
・手ブレしやすい
カメラを体から離して構えるため、手ブレが起きやすくなります。特に望遠レンズを使うときは注意が必要です。
ファインダーとライブビュー、使い分けのコツ
どちらも便利な撮影方法ですが、撮影シーンによって向き不向きがあります。ここでは、それぞれがどんなときに力を発揮するかをご紹介します。
ファインダーが向いているシーン
・動きの速い被写体
子どもの運動会、ペットの撮影、スポーツシーンなど、動きが予測できない被写体にはファインダーが最適です。反応速度の速さが決定的な差を生みます。
・明るい屋外での撮影
海辺や雪山など、太陽光が強い場所での撮影では、ファインダーの視認性の良さが重宝します。液晶画面では見えにくい状況でも、しっかりと被写体を確認できます。
・長時間の撮影
イベントの撮影や旅行など、一日中カメラを使う場面では、バッテリー消費の少なさが大きなメリットになります。
・集中して撮影したいとき
ポートレート撮影など、被写体との距離感を大切にしたい場面では、ファインダー撮影の方が集中できるという方も多いです。
ライブビューが便利なシーン
・風景や静物の撮影
じっくりと構図を決めたい風景撮影や、花や料理などの静物撮影では、ライブビューの「事前確認」機能が威力を発揮します。
・夜景や室内撮影
暗い場所では露出の調整が重要になります。ライブビューなら明るさの変化をリアルタイムで確認できるので、理想的な明るさに調整しやすくなります。
・特殊なアングルからの撮影
地面に置いた小物を真上から撮ったり、低い位置から見上げるように撮ったりするときは、ライブビューの自由度が重宝します。
・マクロ撮影
花や昆虫などの接写では、ピントの精度が勝負になります。拡大表示機能を使えば、髪の毛一本レベルの精度でピント合わせができます。
・初心者の練習
カメラの設定を変えたときの変化を目で見て学べるので、露出やホワイトバランスの勉強にも最適です。
初心者におすすめの選び方
「結局どっちを使えばいいの？」と迷っている方へ、段階的な上達方法をご提案します。
まずはライブビューから始めよう
初心者の方には、まずライブビューでの撮影をおすすめします。理由は以下の通りです：
- 撮影結果が予想しやすく、失敗が少ない
- 設定変更の効果を目で見て学べる
- スマートフォンと似た操作感で慣れやすい
慣れてきたらファインダーにも挑戦
ライブビューでの撮影に慣れてきたら、ファインダー撮影にも挑戦してみましょう。特に以下のような場面で試してみてください：
- 動きのある被写体を撮るとき
- 明るい屋外での撮影
- 「カメラらしい撮影」を体験してみたいとき
最終的には使い分けができるように
慣れてくると、撮影シーンを見ただけで「これはファインダー」「これはライブビュー」と自然に判断できるようになります。これができるようになれば、あなたの写真技術は大きく向上しているはずです。
まとめ
ファインダー撮影とライブビュー撮影、どちらにもそれぞれの良さがあります。
「どちらが正解？」という質問への答えは「シーンによって使い分けるのが正解」です。
- 静止しているもの、じっくり撮りたいもの → ライブビュー
- 動きのあるもの、瞬間を捉えたいもの → ファインダー
この基本を覚えて、実際に撮影を重ねていけば、必ず自分なりの使い分けができるようになります。
初心者のうちは「どちらが自分に合っているか」よりも、「どちらも使えるようになる」ことを目標にしてみてください。そうすることで、撮影の幅がぐっと広がり、写真がもっと楽しくなるはずです。
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