「三脚っていつ使えばいいの?」と迷う初心者の方、その気持ちとてもよくわかります。私も最初の頃は、三脚を持っているのに結局バッグの中に眠らせたままということがよくありました。でも実は、三脚って"手ぶれ防止"だけじゃないんです!
この記事では、三脚を使うべき場面やそのメリット、初心者でも迷わない選び方を、私の実体験も交えながらわかりやすく解説していきます。きっと「こんな時にも使えるんだ!」という発見があるはずです。
三脚を使うべき場面とは?
三脚は「手ぶれを防ぐためのもの」とよく言われますが、実際に使ってみると、それ以上に撮影効果が上がる場面がたくさんあります。私が特におすすめしたいのは、以下のようなシーンです。
夜景や長時間露光撮影
夜景や長時間露光撮影では、シャッタースピードが数秒から数十秒になることもあるため、三脚は絶対に必要です。手持ちでは到底不可能な美しい光の軌跡や、星空の撮影も楽しめるようになります。私も初めて三脚で夜景を撮った時は、その鮮明さに感動したのを覚えています。
風景や建築写真
風景や建築写真では、構図をじっくり決めて精度を出すのに三脚が大活躍します。特に建物を撮る時は、垂直・水平をきちんと合わせることで、プロのような仕上がりになります。手持ちだと微妙にななめになってしまいがちですが、三脚があれば時間をかけて調整できます。
自撮りや集合写真
自撮りや集合写真も、実は三脚の得意分野。セルフタイマーやリモコンを使えば、全員がカメラ目線の自然な写真が撮れます。旅行先で「すみません、写真撮ってもらえますか?」と頼む必要もなくなりますし、何度でも納得いくまで撮り直せるのが嬉しいポイントです。
ビデオ撮影
ビデオ撮影では、三脚の威力を最も実感できるかもしれません。手持ちだとどうしても画面が揺れてしまい、見ている人が酔ってしまうことも。三脚を使えば、まるでテレビ番組のようなスムーズな映像が撮れるようになります。最近人気のvlogを始めたい方にも、三脚は必須アイテムと言えるでしょう。
三脚を使う3つのメリット
手ぶれゼロでクリアに
これは三脚の基本機能ですが、やはり重要です。手持ちだと、どんなに気をつけていても微細な振動でブレてしまうことがあります。特に望遠レンズを使う時や、暗い場所での撮影では、その差は歴然。三脚でしっかり固定すれば、隅々まで鮮明な描写が可能になります。
私の経験では、「あれ?この写真、思ったよりシャープじゃないな」と感じる写真の多くは、実は微細な手ぶれが原因でした。三脚を使うようになってから、写真全体のクオリティが明らかに向上したのを実感しています。
構図をじっくり決められる
これは意外と見落とされがちなメリットです。手持ちで撮影していると、どうしても「とりあえずシャッターを切ろう」という気持ちになりがち。でも三脚を使うと、「足で構図を探す→三脚設置→微調整」という流れになり、自然と構図について考える時間が生まれます。
この「考える時間」が、写真の精度をぐっと上げてくれるんです。水平線の位置、被写体の配置、余計なものが写り込んでいないかなど、細かくチェックできるようになります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくると逆に手持ちでの撮影が雑に感じられるほどです。
自分も写れる&安定した動画撮影
一人旅や少人数での撮影時に、自分も写真に写りたいと思ったことはありませんか?三脚があれば、野外でも簡単に自撮りができます。セルフタイマーを10秒に設定すれば、三脚から離れてポーズを取る時間も十分。家族写真や友人との記念写真でも、みんなでカメラに向かって自然な笑顔を見せることができます。
動画撮影においても、三脚の安定性は絶大な効果を発揮します。料理の手順を撮影したり、商品レビューを録画したり、最近では在宅ワークでのオンライン会議でも三脚が活躍しています。一度安定した映像に慣れてしまうと、手持ちの揺れた映像を見るのが辛くなってしまうほどです。
知っておきたい三脚の選び方(初心者向け)
三脚選びで最初に考えるべきは、どんな撮影をメインにするかです。
携帯性を重視するならトラベル三脚がおすすめです。折りたたむと50cm程度になるものが多く、旅行用のスーツケースにも楽々収まります。重量も1kg前後と軽量で、持ち運びの負担になりません。ただし、コンパクトさの代償として、やや安定性に劣る場合があることは覚えておいてください。私は以下のトラベル三脚を使っています。

アイレベル撮影がしたいなら中型タイプを選びましょう。センターポールを伸ばさなくても目線の高さまで来るものを選ぶのがポイントです。センターポールを伸ばすと安定性が下がってしまうため、脚だけで必要な高さが確保できるものが理想的です。
耐荷重は機材重量の1.5倍以上を目安にするのが安心です。例えば、カメラとレンズの合計重量が2kgなら、耐荷重3kg以上の三脚を選ぶということです。これは安全マージンを確保するためで、耐荷重ギリギリだと風が吹いた時などに不安定になる可能性があります。
価格については、最初は1万円から3万円程度のものから始めることをおすすめします。あまり安すぎると作りが雑で使いにくく、結局買い直すことになりがち。逆に高級品を最初から買う必要もありません。使っていくうちに自分の好みや必要な機能がわかってくるので、その時に改めて検討すれば十分です。
三脚の正しい使い方のコツ
三脚を効果的に使うには、いくつかのコツがあります。これを知っているかどうかで、撮影の成功率が大きく変わります。
まず、構図を決めてから三脚を立てることが重要です。先に三脚を立ててしまうと、その高さや位置に合わせて構図を決めることになり、本来撮りたかった画角とは違ってしまう可能性があります。手持ちでいろいろな角度から覗いてみて、「この構図で撮りたい」と決まってから三脚をセットしましょう。
脚は広げて安定させるのも基本中の基本です。地面の状態や脚の太さを意識し、しっかりと開いて設置してください。三本の脚の長さが微妙に違っても、多くの三脚では各脚の長さを個別に調整できるので、水平を取ることができます。屋外では風の影響も考慮し、可能であれば三脚に重りを吊り下げて安定性を高めるのも効果的です。
意外と見落とされがちなのが、手ぶれ補正をOFFに設定することです。最近のカメラやレンズには優秀な手ぶれ補正機能が付いていますが、三脚使用時には逆にブレを引き起こす可能性があります。これは、手ぶれ補正システムが「揺れ」を検知しようとして、ない揺れまで検知してしまうためです。三脚を使う時は、必ず手ぶれ補正をOFFにすることを習慣にしましょう。
最後に、リモートシャッターやセルフタイマーを活用することで、さらなる安定撮影が可能になります。せっかく三脚で固定していても、シャッターボタンを押す時の振動でブレてしまっては意味がありません。リモコンがない場合は、カメラのセルフタイマー機能(2秒タイマーで十分)を使えば、振動が収まってからシャッターが切れるので安心です。
手持ちでOKな場合と三脚が不要なシーン
三脚は便利ですが、すべての撮影で必要というわけではありません。適材適所で使い分けることが大切です。
速いシャッタースピードを確保できる場合は、基本的に手持ちでも十分です。明るい日中の屋外や、十分な照明がある室内では、手ぶれの心配はほとんどありません。むしろ三脚を立てる時間がもったいないくらいです。
被写体が動いている撮影では、三脚は逆に邪魔になることが多いです。子どもやペット、スポーツシーンなどでは、カメラを自由に動かせる手持ちの方が圧倒的に有利。動く被写体を追いかけながら撮影するには、機動性が何より大切です。
軽快さを重視したスナップ撮影でも、手持ちの方が向いています。街歩きをしながら気になった瞬間を切り取る、そんな撮影スタイルでは、三脚を毎回立てていたら肝心の瞬間を逃してしまいます。スナップ撮影では、「今だ!」と思った瞬間にサッと撮れる手持ちの自由度が重要です。
また、人が多い観光地や公共の場所では、三脚の使用が禁止されている場合もあります。事前に確認してから持参するようにしましょう。
まとめ:三脚は"撮影の質を上げる頼れるパートナー"
三脚はただブレを防ぐだけでなく、「構図を考える時間を作る」「自分も写せる」「動画が安定する」といった多くのメリットがあります。私自身、三脚を本格的に使い始めてから、写真に対する取り組み方が変わったと感じています。
構図が決まったら立ててみる——この習慣だけで、写真のクオリティがグッと向上します。最初は「面倒だな」と思うかもしれませんが、慣れてくると三脚なしでは物足りなく感じるはずです。
三脚は決して高価な必需品ではありません。自分の撮影スタイルに合ったものを一本持っておけば、撮影の幅が確実に広がります。ぜひ次の撮影で三脚を活用してみてください。きっと新しい発見がありますよ📸!