「スマホよりもっとキレイな映像を撮ってみたい」「YouTubeやVlogを始めたいけど、どのカメラを選んだらいいの?」
そんな思いを抱いている方、結構多いのではないでしょうか。実際、家電量販店のカメラコーナーに行くと、ずらりと並んだカメラの数に圧倒されてしまいますよね。スペック表を見ても専門用語が飛び交って「結局何を選べばいいの?」と頭を抱えてしまう気持ち、よくわかります。
この記事では、そんな動画撮影初心者の方に向けて、「本当に知っておくべきカメラとレンズの選び方」を、できるだけ分かりやすい言葉で解説していきます。最初の一台選びで失敗したくない方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
動画撮影に適したカメラの選び方
センサーサイズ:迷ったらAPS-Cから始めよう
まず最初に理解しておきたいのが「センサーサイズ」です。これは、カメラが光を受け取る"心臓部"のようなもので、大きければ大きいほど、より多くの光を取り込んで美しい映像を作り出すことができます。
APS-Cは、画質と価格のバランスが絶妙で、初心者の方にも扱いやすいサイズです。「そこそこキレイな映像が撮れて、価格も手頃、カメラ本体も重すぎない」という、いいとこ取りの選択肢と言えるでしょう。
フルサイズになると、より高画質で暗い場所でも明るく撮れ、背景のボケも美しく表現できます。ただし、その分価格もカメラの重量も上がる傾向にあります。
初心者の方には、まずはAPS-Cから始めて、撮影に慣れてきたらフルサイズへのステップアップを考える、という流れをおすすめします。
解像度とフレームレート:4K対応なら将来も安心
最近のカメラは、従来のフルHD(1080p)に加えて、4K画質での撮影が当たり前になってきました。
4K/30pなら、スマホで見てもパソコンで見ても、とても高精細でクリアな映像を楽しめます。4K/60pに対応していれば、動きの激しいスポーツシーンや、後からスロー再生したい場面でも、滑らかで美しい映像を残すことができます。
今は4Kなんて必要ないかも…と思うかもしれませんが、YouTubeやSNSでも4K動画が普通になってきているので、将来のことを考えると4K対応のカメラを選んでおくと安心です。
手ブレ補正機能:動画では写真以上に重要
写真と違って、動画では「手ブレ」がとても目立ちます。せっかく良いシーンを撮ったのに、映像がプルプル揺れていて見るに堪えない…なんて経験をしたくないですよね。
ボディ内手ブレ補正(IBIS)があると、手持ちで撮影しても無い場合と比べて安定した映像を撮ることができます。特に、旅行先でのVlogや街歩きの動画を撮りたい方には、手ブレ補正の有無で撮影の快適さが大きく変わります。
液晶モニター:自撮りするならバリアングル必須
自撮りでVlogを撮りたい、家族との思い出を自分も含めて残したい、そんな方にはバリアングルモニターが絶対に必要です。
バリアングルモニターとは、液晶画面を自由に動かして角度を変えられる機能のこと。これがあると、カメラを自分に向けても画面を見ながら撮影できるので、「あれ?映ってない」「顔が切れてる」といった失敗を防げます。
三脚を使った撮影でも、ローアングルやハイアングル、横からの撮影など、さまざまな構図で画面を確認しながら撮れるので、表現の幅がぐっと広がります。
音声入力:外部マイクが使えると音質が格段にアップ
動画において、音の品質は映像と同じくらい重要です。どんなに美しい映像が撮れても、音が聞き取りにくかったり、風の音でガサガサしていたりすると、視聴者はすぐに離れてしまいます。
カメラ内蔵のマイクだけでは、どうしても周囲の雑音を拾ってしまいがちです。外部マイク入力端子があるカメラなら、ピンマイクやガンマイクなど、用途に応じたマイクを接続して、クリアな音声を録音できます。
撮影時間の制限と熱対策:長時間撮影にも備えよう
動画撮影は、カメラにとってかなり負荷が高いです。連続で動画を撮り続けると、カメラ内部に熱がこもって、自動的に撮影が停止してしまうことがあります。
結婚式やイベント、旅行など、長時間の撮影が予想される場面では、連続30分以上撮影できる機種を選んでおくと安心です。最近のカメラは熱対策も向上していますが、購入前に連続撮影時間の制限を確認しておくことをおすすめします。
レンズの選び方:用途に合わせて賢く選ぼう
焦点距離:撮りたい映像のスタイルで決める
レンズ選びで最初に考えたいのが「焦点距離」です。これは、どのくらい広く(または狭く)写せるかを表す数値で、撮影スタイルによって適した焦点距離が変わります。
自撮りやVlogをメインに考えているなら、広く写せる広角レンズ(16〜24mm程度)が便利です。自分の顔と背景の風景を一緒に写したい時や、室内の狭い空間で撮影する時に重宝します。
日常の記録や旅行動画なら、標準ズームレンズ(24〜70mmなど)がおすすめ。広角から中望遠まで1本でカバーできるので、レンズを付け替える手間なく、さまざまなシーンに対応できます。
背景をしっかりぼかして、被写体を際立たせたいなら、中望遠レンズ(50〜85mm前後)も検討してみてください。人物撮影や、印象的なクローズアップシーンを撮る時に威力を発揮します。
なお、APS-Cカメラの場合は、表記されている焦点距離×1.5倍(キヤノンの場合は×1.6倍)で計算した画角になることも覚えておきましょう。
F値(絞り値):明るいレンズで表現力アップ
F値は、レンズがどれだけ光を取り込めるかを表す数値です。F1.4、F2.8、F4.0といった形で表示され、数値が小さいほど明るいレンズということになります。
F1.8〜F2.8の明るいレンズなら、室内や夕方の薄暗い場面でも明るく撮影でき、さらに背景を大きくぼかして印象的な映像を作り出せます。一方、F4.0以上のレンズは、明るい屋外なら問題ありませんが、暗い場所では限界があり、背景のボケも控えめになります。
動画では、背景をぼかして被写体を際立たせる表現がよく使われるので、できればF2.8以下の明るいレンズを選んでおくと、表現の幅が広がります。
ズーム or 単焦点?まずは標準ズームが安心
初心者の方がよく悩むのが、「ズームレンズと単焦点レンズ、どっちを選べばいいの?」という点です。
標準ズームレンズは、1本で複数の焦点距離をカバーできるので、レンズ交換の手間が省け、撮影中に「もう少し寄りたい」「もっと広く撮りたい」という場面でもサッと対応できます。初心者の方にとっては、まさに「万能選手」的な存在です。
単焦点レンズは、ズームはできませんが、その分明るさや画質に優れ、美しいボケ表現が得意です。「背景を思いっきりぼかしたい」「暗い場所でもキレイに撮りたい」という場面では、単焦点レンズが威力を発揮します。
おすすめは、まず標準ズームレンズで動画撮影に慣れて、慣れてきたら単焦点レンズを追加する、というステップです。
追加で検討したいアクセサリー
カメラとレンズ以外にも、あると便利なアクセサリーがいくつかあります。
三脚は、固定撮影や自撮りには必須アイテム。軽量でコンパクトなトラベル三脚から、しっかりとした作りのスタジオ用三脚まで、用途に応じて選びましょう。
外部マイクがあると、音質が格段に向上します。ピンマイク、ガンマイク、ワイヤレスマイクなど、撮影スタイルに合わせて選んでみてください。
予備バッテリーとSDカードも忘れずに。動画撮影はバッテリーとメモリを消費しやすいので、余裕を持って準備しておくと安心です。
まとめ:「使いやすさ」を最優先に、楽しく始めよう
動画撮影初心者にとって、もっとも大切なのは「無理なく使い続けられること」です。
どんなに高性能なカメラでも、重すぎて持ち歩くのがおっくうになったり、操作が複雑すぎて使いこなせなかったりしては、宝の持ち腐れになってしまいます。
スペックの数値にばかり目を奪われず、実際に手に取ってみた時の重さ、操作ボタンの配置、メニューの分かりやすさなど、日常的に使う上での「使いやすさ」を重視した機材選びが、継続と上達への近道です。
家電量販店などで実際に触ってみて、「これなら毎日持ち歩いても苦にならないな」「操作が直感的で分かりやすいな」と感じるカメラに出会えたら、それがあなたにとってのベストチョイスかもしれません!