「動画を始めてみたいけれど、どのレンズを選べばいいのかわからない…」
そんな悩みを抱えていませんか?最近はYouTubeやInstagramで手軽に動画を投稿できるようになり、多くの方が動画撮影に興味を持つようになりました。
しかし、いざレンズを選ぼうとすると、写真用のレンズとは違った考え方が必要になってきます。
実は、動画撮影では焦点距離やF値(明るさ)、そしてズームか単焦点かという選択が、完成した映像の印象を大きく左右するんです。
私も最初の頃は試行錯誤の連続でしたが、基本的な考え方を理解すると、自分の撮りたい映像に合ったレンズが自然と見えてきました。
この記事では、動画撮影に適したレンズの選び方を、写真レンズとの違いも交えながら、わかりやすくお伝えしていきます。
動画撮影における焦点距離の考え方
写真撮影では「望遠で圧縮効果を狙おう」「広角でダイナミックに撮ろう」といった構図中心の発想が多いですが、動画の場合は少し違います。
大切なのは「被写体との距離感」と「動きに合わせた自然さ」です。
広角レンズ(24mm前後)は、風景撮影やVlog、室内での撮影に重宝します。
特にカメラを手持ちで歩きながら撮影する際は、画角が広いおかげで手ブレが目立ちにくく、安定した映像に見えやすいのが特徴です。
ただし、人物を撮る際は顔が歪んで見えることがあるので注意が必要です。
標準域(35〜50mm)は、人間の視野に近い自然な画角で、人を撮影するのに最も向いています。
ドキュメンタリーやインタビュー撮影でよく使われるのも、この自然な見え方があるからです。
私も人物メインの動画を撮る際は、この焦点距離をよく使います。
中望遠〜望遠(85mm以上)は、背景を大きくボカして被写体を際立たせたいときや、離れた位置から撮影する必要がある場面で効果的です。
ただし、手ブレが目立ちやすくなるため、三脚やジンバルの使用をおすすめします。
動画撮影では「ズームで寄る」より「足で寄る」方が自然な映像になりやすいというのも覚えておきたいポイントです。
被写体に物理的に近づくことで、より臨場感のある映像が撮れるんです。
F値(レンズの明るさ)が動画に与える影響
F値は「レンズの明るさ」を表す数値で、同時に被写界深度(背景のボケ具合)も決める重要な要素です。
動画撮影では写真以上に光量不足のシーンが多いため、F2.8以下の明るいレンズが特に重宝されます。
F1.4〜F2.0の明るいレンズは、映画のような美しいボケ感を演出できます。
夜景や室内などの暗い場所でも、ノイズを抑えたクリアな映像が撮影可能です。
ただし、ピントの合う範囲が狭くなるため、動く被写体を撮る際は注意深くフォーカスを合わせる必要があります。
F2.8は、明るさと使いやすさのバランスが絶妙で、動画撮影用ズームレンズの定番となっています。
プロの現場でも最もよく使われるF値です。
F4以上のレンズは軽量で価格も抑えやすいのですが、暗い場所での撮影には向きません。
屋外の明るい時間帯での撮影がメインなら問題ないでしょう。
写真撮影では「美しいボケ」を狙うことが多いのに対し、動画では「十分な光量の確保と自然な背景処理」の両立が重要になってきます。
あまりボケすぎると、動画では不自然に見えることもあるんです。
ズームレンズと単焦点レンズ、動画ではどちらを選ぶ?
ズームレンズの最大の魅力は、撮影現場でフレーミングを柔軟に変えられることです。
ドキュメンタリーやイベント撮影など、予測できない状況での撮影では非常に便利です。
代表例として「24-70mm F2.8」は、多くの映像制作者に愛用されています。
一方、単焦点レンズは明るさに優れ、映像がクリアでシネマライクな雰囲気に仕上がります。
ポートレート動画や作品性を重視した撮影で人気があります。
また、画質的にもズームレンズより優秀な場合が多いです。
興味深いのは、写真の世界では利便性を重視してズームレンズが好まれる傾向にあるのに対し、映像の世界では単焦点レンズを愛用するクリエイターが多いということです。
これは、映像制作では「表現力」や「画質」をより重視する傾向があるからかもしれません。
写真レンズと動画レンズの違いを理解しよう
同じカメラに装着できるレンズでも、写真用と動画用では設計思想が大きく異なります。
動画用レンズ(シネマレンズ)の特徴:
- フォーカスリングが長く設計されており、滑らかで精密なピント合わせが可能
- 絞りをクリックレスで調整できるため、撮影中でも露出をなめらかに変更できる
- ブリージング(フォーカシング時の画角変化)が少ない
写真用レンズの特徴:
- 軽量でオートフォーカスが高速
- 絞りリングがないモデルも多く、カメラ側で設定
- 静止画撮影が中心ですが、動画撮影でも十分活用可能
初心者の方には、まず写真用レンズから始めて、より本格的な動画制作に取り組みたくなったらシネマレンズにステップアップすることをおすすめします。
プロが選ぶ!動画撮影におすすめのレンズ3選
ここからは、実際に動画撮影で評価が高いレンズを3本ピックアップしてご紹介します。
メーカーを問わず人気があるモデルなので、動画用レンズ選びの参考にしてください。
1. Sony ソニー FE 24-70mm F2.8 GM II
特徴:ズーム全域でF2.8の明るさをキープし、高い解像度と自然なボケ味を両立したプロ仕様のレンズです。
おすすめ用途:Vlog、イベント撮影、旅行動画など、あらゆる場面でオールラウンドに対応できます。
メリット:動画・写真どちらでも万能に使える一本で、これ一本あれば大抵の撮影に対応可能です。重量はありますが、その分の価値は十分にあります。

2. Sigma シグマ 35mm F1.4 DG DN Art
特徴:単焦点ならではの明るさとクリアな描写が魅力。F1.4の大口径で美しい背景ボケが得られます。
おすすめ用途:ポートレート動画、映画風のシネマティック撮影に最適です。
メリット:価格と性能のバランスが優秀で、多くの映像クリエイターに愛用されています。サードパーティ製でありながら、純正レンズに劣らない品質です。

3. Canon キヤノン RF 50mm F1.8 STM
特徴:軽量・コンパクトで手軽に使える標準単焦点レンズ。STMモーターにより、動画撮影時も静かで滑らかなフォーカシングが可能です。
おすすめ用途:インタビュー動画、日常のスナップ動画撮影に向いています。
メリット:価格が手頃で「まず一本試してみたい」という入門用に最適。軽いので長時間の撮影でも疲れにくいのも嬉しいポイントです。

失敗しないレンズ選びのコツ
レンズ選びで失敗しないためのコツをいくつかお伝えします。
まず、撮影スタイルを明確にすることが重要です。
室内での撮影が多いなら明るいレンズが必要ですし、屋外メインなら多少暗くても軽量なレンズの方が使いやすいかもしれません。
次に、予算と用途のバランスを考えましょう。
高価なレンズほど性能は良いですが、趣味レベルなら十分すぎる場合もあります。
逆に、仕事で使う場合は多少高くても信頼性の高いレンズを選ぶべきです。
レンタルで試すのも賢い方法です。
高価なレンズを購入前にレンタルして実際に使ってみることで、自分の撮影スタイルに合うかどうかを確認できます。
まとめ
動画撮影に適したレンズを選ぶポイントは、焦点距離・F値・ズーム/単焦点の特徴をしっかりと理解することです。
写真用レンズでも十分に動画撮影は可能ですが、より表現の幅を広げたい方は動画専用レンズの導入を検討してみてください。
最も大切なのは「どんな映像を撮りたいのか」という目的を明確にすることです。
目的がはっきりすれば、自然とレンズ選びの方向性が見えてきます。
最初は手頃な価格のレンズから始めて、経験を積みながら段階的にステップアップしていくのが、結果的に最も効率的で満足度の高いレンズ選びにつながるでしょう。
皆さんの動画撮影ライフがより充実したものになることを願っています。
何か疑問があれば、いつでもお気軽にご質問ください!