「一眼レフやミラーレスを買ったけど、星空撮影をするやり方が全然分からない!」
そういう声を聞いたので、基本の撮影方法を解説したいと思います。
今回の記事の内容を実践すれば、上の写真のような星空を撮影することができます。
分かりやすいようにいくつかの項目に分けて、順に説明していきます。
それではいきましょう〜
星空撮影に必要な機材
まず最低限必要な機材は「カメラ」「レンズ」「三脚」の3つです。
これらがあれば、とりあえず星空の撮影ができます。
三脚が必要なのは、星空撮影では数秒から数十秒の間シャッターを切ることになり、その間カメラが動かないように固定する必要があるからです。
各機材は性能が高い(そして価格も高い)ものを使った方が、より失敗が無く高精細な写真が撮影できます。
ただ、カメラ初心者の方がとりあえずやってみたいという状況であれば、すでに持っているカメラとレンズに三脚を追加するだけで撮影にチャレンジすることができます。
三脚も数万円の高額なものでなくても、強風などの厳しい状況でなければ以下のような数千円のもので大丈夫です(私も最初はこれを使っていました)。
星空撮影に適した撮影場所
理想的な撮影場所は、「真っ暗で星以外の明かりがない」ところです。
星の光は比較的弱いので、星以外の明かりがある場所で星を撮ろうとすると、星以外の明かりの部分が白飛びしたりします。
とはいっても、なかなかそういう場所はないので、民家や道路の明かりができるだけ少ない山や海などが良いと思います。
あと気をつけなければいけないのは月です。
月は多くの人が思っている以上に明るく、こちらも白飛びの原因になります。
月とは逆の向きに撮影したり、新月前後で撮影するのがおすすめです。
星空撮影時のカメラの設定
カメラ初心者の方は、オートモードで撮影していることが多いと思いますが、星空撮影ではマニュアルモードを使います。
(一眼レフでは上写真のモードダイヤルをMにします)
またレンズについては、ズームレンズを使っている場合は最も広角の状態にします。
例えば18-55mmレンズであれば、18mmにしておきます。
カメラのマニュアル撮影では、以下の3つの項目を自分で設定します。
- F値
- シャッタースピード(以下SSと表記)
- ISO感度
それぞれの項目についての解説は、長くなるのでここでは割愛します。
理屈を学ぶのはやってみた後の方が理解も深まると思うので、まずは以下の通りに設定してみてください。
F値:設定可能な最も小さい値にする
SS:300/(レンズの焦点距離)よりギリギリ小さい値(カメラの機種による)
ISO感度:400
設定可能な最小F値は、レンズによって違います。
F1.4というレンズもあれば、F3.5というレンズもあります。
どのレンズの場合でも、可能な最も小さい値に設定します。
SSはカメラによって(正確にはカメラのセンサーサイズによって)違います。
初心者の方はAPS-Cセンサーのカメラが多いと思いますので、300/(レンズの焦点距離)よりギリギリ小さい値に設定します。
例えば焦点距離が18mmの場合は、300/18=16.6・・となるので、16秒より短いSSを設定します。
この値は、「星を点で撮る」ための目安です。
この値よりSSが長くなると、星が流れるので点になりません。
あくまで目安ではあるので、撮影しながら調整してみてください。
ISO感度はできるだけ小さい方がノイズが少ない綺麗な写真になります。
ただ小さすぎると暗くて星が写らないので、撮影して確認しながら徐々に大きくしていきます。
星空撮影時のピント合わせ
ここが最も難しいかもしれません。
カメラ初心者の方は、普段はオートフォーカスで撮影することが多いと思いますが、星空撮影ではマニュアルフォーカス、つまりカメラ任せではなく自分でピントを合わせます。
まずはレンズのオートフォーカススイッチをマニュアル(MF)にします。
レンズにスイッチがない場合は、カメラ側でフォーカスモードをマニュアルに変更します。
マニュアルに変更したら、ピント合わせに利用する対象を決めます。
私は見えている中で一番明るい星を利用することがほとんどですが、例えば数十メートル先など離れた場所にある民家の光でも大丈夫です。
レンズのピントリングを回しながら、対象の光が最もシャープになる(小さくはっきり写る)ところを探していきます。
その位置が、星にピントが合った状態です。
一眼レフの場合、ファインダーでは見えづらいと思うので、液晶でのライブビューでピント合わせをするのがオススメです。
ミラーレス一眼の場合は、ファインダーでも液晶でも、どちらでもやりやすい方で大丈夫です。
カメラによってはフォーカスを合わせやすくするためのピント拡大機能があるので、あれば使った方が良いです。
ピントが合ったら、できればテープなどでフォーカスおよびズームリングを固定しておくと、撮影中に触れてしまってピントがズレる事故を防ぐことができます。
撮影写真の加工(現像)
星空撮影では、撮影後に写真を加工する(現像と呼ばれます)場合がほとんどかと思います。
明るさを調整したり、色合いを調整したり、自分が思うような写真に仕上げていきます。
現像の詳しいやり方はまた別の記事で解説したいと思います。
明るさを調整するだけでも印象が変わるので、スマホアプリでも大丈夫ですので、ぜひやってみてください。
さいごに
今回は星空撮影のやり方について、カメラ初心者の方向けに最低限必要なことを解説しました。
星空撮影ではマニュアルモードでの撮影が必要となるので、他の被写体と比べて初心者の方には難しいものだと思います。
また、F値、SS、ISO感度それぞれの関係性についての知識も必要になります。
今回それらの解説を省いたのは、まずはやってみていただきたかったからです。
やってみて上手くいかなかったときに、人は自ら学んで上達するのだと思っています。
実践しながらの方が知識の定着も早いです。
試行錯誤しながらぜひチャレンジされてみてください。
それでは!