「夜景撮影って憧れるけど、なんだか難しそう...」そんな風に思っていませんか?確かに「暗い」「ブレやすい」といった難点がありますが、実は三脚がなくても美しく撮れる設定やコツがあるんです。
この記事では、カメラを始めたばかりの方でも簡単にできる夜景撮影の基本テクニックを、機材・設定・構図のポイントごとにやさしく紹介していきます。夜景のきらめきを、一眼レフでもミラーレスでも楽しんで撮れるようになりますよ。
まずは気軽に一枚撮ってみることから始めましょう!
夜景写真の基本は「光を取り込むこと」

夜景がうまく撮れない最大の原因は、ズバリ光が足りないことです。昼間の撮影と比べて圧倒的に光量が少ない環境で、どうやってカメラに光を集めるかが勝負になります。
三脚なしでも対応可能な撮影の基本設定は以下の通りです:
絞り(F値)を開放にする
F値を小さくする(開放する)ことで、レンズから入ってくる光の量を最大限に増やします。お持ちのレンズの最小F値(F1.4、F2.8など)に設定してみましょう。「ボケ」も生まれて、背景の光がふんわりと美しく表現されます。
シャッタースピードは「1/焦点距離」を目安に設定
手ブレを防ぐための基本ルールがこれです。例えば50mmのレンズなら1/50秒以上、100mmなら1/100秒以上を心がけましょう。この設定を守ることで、手持ち撮影でもブレにくくなります。
ISO感度はノイズを意識しつつ、許容範囲で上げる
現代のカメラは高感度性能が向上しているので、ISO1600〜3200程度まではそれほど気にならないノイズレベルで撮影できます。ただし、カメラによって得意な感度が異なるので、事前にテスト撮影をして自分のカメラの「使える」ISO値を把握しておくことが大切です。
三脚なしでもキレイに撮るための工夫
「三脚を持ち歩くのは重いし面倒...」という方も多いはず。でも大丈夫!ちょっとした工夫で三脚なしでも安定した夜景撮影ができます。
セルフタイマー/リモートシャッターを活用
シャッターボタンを押す瞬間の微細な振動が、意外と手ブレの原因になります。セルフタイマーを2秒程度に設定するだけで、この振動を完全に回避できます。最近のカメラにはスマホアプリでリモート操作できる機能もあるので、ぜひ活用してみてください。
安定した台に乗せる
公園のベンチ、橋の手すり、車のボンネット(許可があれば)など、身の回りにある平らで安定した場所を三脚代わりに使いましょう。カメラの角度調整にはハンカチやタオルを挟んで微調整すると便利です。
自分の体を固定する
手持ち撮影の基本姿勢をマスターしましょう。両脇をしっかり体に付けて、息を大きく吸って止めた状態でシャッターを切ります。壁にもたれかかったり、手すりに肘を置いたりして、できるだけ体を安定させるのもポイントです。
連写機能を活用する
同じ構図で3〜5枚連続で撮影し、その中からブレの少ない一枚を選ぶという方法も効果的です。デジタルカメラなら何枚撮っても追加費用はかからないので、積極的に活用しましょう。
三脚が使えるなら取り入れたい基本テク

もし三脚を持参できる場合は、より本格的な夜景撮影にチャレンジしてみましょう。三脚使用時に知っておきたいポイントをご紹介します:
長時間露光
三脚でカメラが完全に固定されているなら、シャッタースピードを長くして、よりたくさんの光を取り込むことができます。車のライトが線になって写る「光跡」も、この長時間露光で撮影できます。
ISO100〜400程度に抑えてノイズを低減
三脚があれば高いISO感度に頼る必要がないので、低感度でノイズの少ないクリアな画質を得られます。特にプリントを予定している場合は、この差は大きく現れます。
手振れ補正OFF&セルフタイマー2秒遅延で安定撮影
三脚使用時は手振れ補正機能をOFFにしましょう。補正機能が作動することで逆にブレが生じる場合があります。また、シャッターボタンを押す振動を避けるため、セルフタイマー機能も必ず使用してください。
構図と光の色味を工夫しよう

技術的な設定だけでなく、撮影する時間帯や色の演出も夜景撮影の重要な要素です。
マジックアワー(夕焼け時)を狙う
日没後の約30分間は「マジックアワー」と呼ばれ、空にまだ色が残っている美しい時間帯です。完全に暗くなってからよりも、この時間帯に撮影すると空とイルミネーションの両方がバランス良く写せます。時間を事前に調べて計画的に撮影に向かいましょう。
ホワイトバランスで色味を調整
夜景は様々な種類の光(白熱電球、LED、蛍光灯など)が混在しているため、ホワイトバランスの設定で印象が大きく変わります。「電球」や「蛍光灯」モードを試して、自分好みの色味を見つけてみてください。「オート」設定でうまくいかない場合の救世主になってくれます。
前景に何か入れて奥行きを演出
夜景だけでなく、手前に花や建物の一部を入れることで、写真に奥行きと立体感が生まれます。シルエットになった前景は、夜景の美しさをより際立たせてくれる効果もあります。
ステップ形式で簡単に撮影!初心者おすすめ手順
いざ夜景撮影に挑戦する時の、具体的な手順をまとめました。この流れに沿って進めれば、初めてでもスムーズに撮影できるはずです。
- 撮影モードを絞り優先(A)またはマニュアル(M)モードに切替 オートモードでは限界があるので、自分で設定をコントロールできるモードに変更しましょう。
- F値は小さめ(明るいレンズならF2.8〜4)に設定 光をたくさん取り込むため、なるべく絞りを開放します。
- シャッタースピードは「1/焦点距離秒」を目安に調整 ブレを防ぐための基本ルールを守りましょう。
- ISOはノイズ控えめに抑える(例:ISO1600)から始める まずは控えめから始めて、明るさが足りなければ段階的に上げていきます。
- 手ブレ対策を実行(セルフタイマー・台・姿勢で固定) 前述したブレ対策をしっかりと実行します。
- 撮影後、露出補正とホワイトバランスの確認も忘れずに 一枚撮ったら画像を確認し、明るさや色味に満足できなければ設定を調整して再撮影します。
テスト撮影のススメ 本格的な撮影前に、自宅周辺の街灯などで練習撮影をしておくことをおすすめします。カメラの操作に慣れておけば、美しい夜景に出会った時にスムーズに撮影できますよ。
まとめ:「きれいな夜景は工夫次第で撮れる」
夜景撮影のポイントは、実はそれほど複雑ではありません。以下の3つを意識するだけで、見違えるような写真が撮れるようになります:
光をきちんと取り込む設定(F値・シャッター速度・ISOのバランス) カメラの基本設定を理解して、夜間の少ない光を効率よく集めること。
ブレ対策(セルフタイマー/台/体の固定) 三脚がなくても、ちょっとした工夫でブレを大幅に減らせること。
構図と色味の工夫(マジックアワー・ホワイトバランス調整) 技術だけでなく、撮影タイミングや色の演出も大切にすること。
これらを意識すれば、三脚がなくても夜景をきれいに撮ることが十分可能です。最初は思うようにいかないかもしれませんが、それも含めて楽しい経験になるはず。
まずは近所の夜景スポットで気軽に一枚撮って、設定や色味を自分好みに調整してみてください。夜景撮影の魅力にきっとハマってしまいますよ!
撮影した写真はSNSでシェアして、同じ趣味を持つ仲間と交流するのも楽しみの一つです。あなたらしい夜景写真が撮れることを心から応援しています。
【関連記事】
-
-
関連記事夜景撮影に最適なレンズはこれ!初心者におすすめの明るいレンズ5選
夜の街に輝くネオンサインや、遠くに見える夜景を撮ってみたものの、なんだか思っていたのと違う…そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、夜景撮影の成功の鍵は「レンズ選び」にあるんです。 今 ...
続きを見る
-
-
関連記事三脚って必要?初心者が知っておきたい使用タイミングとメリット
「三脚っていつ使えばいいの?」と迷う初心者の方、その気持ちとてもよくわかります。私も最初の頃は、三脚を持っているのに結局バッグの中に眠らせたままということがよくありました。でも実は、三脚って"手ぶれ防 ...
続きを見る
-
-
関連記事【神奈川県】みなとみらいで夜景撮影!無料のスポットのみを利用
仕事で神奈川に行く機会があったので、横浜のみなとみらいで夜景を撮影してきました! 関東の友人と散歩しながらいくつかのスポットで撮影してきましたが、福岡ではなかなか撮れないシーンに出会えて、最初から最後 ...
続きを見る